診療内容

Medical

おねしょ(夜尿症)

  • #小児科
おねしょの原因は、大きく3つに分けられます。
①排尿をコントロールする抗利尿ホルモンの分泌が不十分なため(発達が不十分なため)
②尿をためる膀胱の容量が少ないため
③睡眠、水分摂取などの生活に関する問題

夜尿症の頻度は小学1年性で10%、5年生で5%と言われます。
10才を過ぎるとほとんど治りますが5〜6才を過ぎてもおねしょが続く場合受診をお勧めします。

  • 未就学児は、夜尿の回数にかかわらず、生活習慣の改善を心がけましょう。
  • 1年生になって、毎日夜尿症がある場合は、医療機関を受診して下さい。
  • 3年生以上になっても夜尿が続く場合は、医療機関を受診して下さい。

早すぎる治療開始は必要ありませんが、夜尿症の自然治癒率は年間10-15%程度で、適切な時期に治療を開始すると1年で50%、2年で70%、3年で80%以上が治癒します。未治療群に比べ、治療により治癒までの時間が著しく短縮されます。

一度はおねしょが治っていたのに再びでてきた場合は親子関係、心理的因子も関係あることがあります。こういった場合もご相談下さい。

 

【生活指導】

  1.  塩分、水分の取り過ぎに気をつけましょう。
    昼食までは特に制限しません。
    午後4時以降は水分を控えて夕食も早め(夕食から睡眠まで最低2-3時間あくようにしましょう)に済ませ、汁物は控えましょう。
    お茶も150mlまでにしましょう。
    毎日みられたおねしょが2〜3日に1回になったり量が減ってきたり、おねしょの時間帯が明け方に近づいてきたら治ってくる証拠です。
  2. あせらず、怒らずまた夜間に起こさなくて結構です。
    自分で起きてトイレで排尿するのなら、起きてトイレに行っても構いません。
    (わざわざ目覚ましで起こす必要はありません)
  3. 夕食後から寝る前までに2-3時間あくようにし、寝る前にトイレに行く習慣をつけて下さい。
  4. 学校から帰ったら、1日1回尿をできるだけ我慢して排尿する練習をします。
    繰り返すと膀胱に尿をためることが出来るようになります。

 

【内服治療】

尿量を減少させる薬:膀胱機能を高める薬や利尿を抑えるホルモンの分泌を促す薬
(デスモプレシン)などがあります。

  1. 夜尿症の基本治療となる薬剤の内服薬が、平成24年から発売となり(以前は点鼻薬)治療効果も上がってます。デスモプレシンによる治療で、治癒まで軽症で3~6か月、重症例では数年かかると言われています。
  2. 膀胱容量が少ないタイプのお子さんに、抗コリン薬を併用することがあります。
  3. 古くから使われている、抗うつ剤も今でも使われる事があります。
  4. 虚弱で不眠、夜泣きの傾向のある方には桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)、小建中湯(しょうけんちゅうとう)などの漢方薬を処方することもあります。

【アラーム治療】

夜尿の水分を感知し、警報で知らせる装置です。日本ではあまり知られていませんが、有効率が62~78%と言われ、海外では治療の第一選択薬の一つとなっています。(保険適用外:1万円弱)
パンツにつけたセンサーが漏れを感知し、バイブレーションで夜尿を本人に知らせる事で 膀胱の排尿抑制力を高め、睡眠中の膀胱容量が増加し、夜尿が改善すると考えられています。
いくつかの会社の製品がありますが、紙おむつ使用者には、アワジテック社製ピスコール(詳しくはコチラから)、パンツ使用者にはMDK社製ウエットストップ(詳しくはコチラから)などの商品があります。

【重症度チェック:外来受診の目安】

夜尿症ナビの”おねしょ診断”を行い、外来受診の目安にして下さい。コチラから

 

夜尿症のお勧めサイト

夜尿症ナビ

日本夜尿症学会ガイドライン

おねしょ卒業プロジェクト